月別: 2023年10月

~秘密の薬~  第二部 (152)

せめて近しい伯父や叔母など、物心がついたころからの親族がいてくれれば違っていたのだろう。頼めばすくなくとも数日間だけでも、そばにいて慰めてくれるからだ。

~秘密の薬~  第二部 (151)

たしかに、未亡人となった身を憐れみ、駆けつけてくれたのはありがたいことだと。

しかしながら、やはり違っていたのだ。

~秘密の薬~  第二部 (150)

とはいえ、むろん地に足ついた状態ではなかった。

なるほど、親身になって、慰めてくれる友人たちも日替わりのようにやってきてはくれた。だがそれでも、救いとなることはなかった。

~秘密の薬~  第二部 (149)

ただただ混乱のなか、警察署でおしえられるままに手続きをし、とりあえず遺体を引取ることがまずはできたのだった。

直後、年かさの担当官が個人の判断で、親切にも葬儀社に連絡してくれたのだ。

で、そこの社員に支えられ、喪主として葬礼の務めも、おかげでどうにか終えることができたのである。