道すがら、
未知と未経験のさなか期待が刹那あらわれ、ところが人間とは所詮こんなもので次の瞬間、不安にかられたのだった。
道すがら、
未知と未経験のさなか期待が刹那あらわれ、ところが人間とは所詮こんなもので次の瞬間、不安にかられたのだった。
課長とつげたが、なるほどウソではなさそうだ、とそうおもった瞬間だった、
「退職の日の事故、これって、偶然でしょうか?」こんな大事なこと、訴えるのを忘れてしまったことを。冷静さを失っていたからか、気力をなくしてしまったからなのか?
どちらであったとしても、しかし現況のじぶんには、もはやどうでもよかった。
そんな過去のことより、彦原君ならば、きっと寄り添ってくれるであろう、期待していいはず。いや正直いうと、そうであってほしい、だったが。
ともかくも、願望をよすがに足早に歩いたのである。
課長と名乗ったが、事実だろうし、ならば若さゆえに経験不足そのもののはずで。テレビドラマなどでしるかぎりだが、現場自体をほとんどしらないであろう。
だからか、頭でっかちな先刻までの口振りとなったのだと妙。
法律事務所へむかうその端緒、おもったのだった。どれほどまでかはしる由もないが、それでも期待をもてそうだと。それで平常心にもどりはじめたのである。
それにしてもあの担当官、年齢からみてキャリア(かれが警視正であれば、まちがいなくそうだ)組とおもわれる。
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