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~秘密の薬~  第二部 (66)

ちなみにじぶんが、これほどに強い態度で他人にむかっていけるとは。はじめて知ったといえるほどの意外であった。

しかしそれはそれとして、

「じぶんこそが交通課の課長です」との案に反した、まさしく想定外の答えをかえってきたのである。

~秘密の薬~  第二部 (66)

しかしながら、まったくもっての無駄であった。眼をあわせることもせず、ただ手を横にふっただけ。
帰れということか。
ならばと妙。つぎなる手として、「上司に会わせてほしい」と迫ったのだった。一歩も引くつもり、さらさらなかったのである。

~秘密の薬~  第二部 (65)

たとえば現場は“殺し”だとし、だが上は事故死だと判断すれば収拾がつかなくなる。そんなこと、だれが望みますかとつけくわえたである。
だが、それはお宅らの都合だとして、負けじとかのじょはとことん粘ったのだった。