反動の最大の因(民衆の覚醒)と推進力。それは、やがての進化していく産業(工業)革命であった。
技術革新、そして資本主義の近代性的な成立などにより世界的波及(日本の近代化も)として、ギリシャ独立、イタリア統一運動、ドイツ統一などを経て、各国が国力を競いつつ強大化させていったのだ。
けっかとして、各国の総力戦としての第一次大戦を勃発させるその土壌のひとつは、ことばを換えれば大きな国力をもったからで、導火線に火をつけたサラエボ事件(オーストリア=ハンガリー帝国の帝位継承者のセルビア国での暗殺)が契機となり、世界的大爆発をおこしたのである。
それまでのウイーン体制下では、所詮は小国どうしでしかなかったのだ。それらがいくら合従し、あるいは連衡しようとも、世界大戦には至らなかったであろう。
すこし違うが、“蟷螂(かまきり)の斧”ていどの破壊力では、どれほどに合体しようとも、あえていえば、地球規模の大量殺りく兵器のようにはなりえなかったということだ。
具体例をあげて説明しよう。
まずは多大な人命をうばったとされる毒ガス。これの開発と製造にも、戦車や潜水艦さらには戦闘機などの進化などにも多大な費用がかかる。
経済的国力がちいさければ、以上はできなかったであろう。
(第一次大戦において数千万人の犠牲者をだした最大の因が、スペイン風邪であったことは論をまたないが、それは置いておく)