そんなことよりも、
制服警官による夫の死亡通知以降、いまにいたるまでそれが悪夢であればいいと、何度おもったことか。
そんなことよりも、
制服警官による夫の死亡通知以降、いまにいたるまでそれが悪夢であればいいと、何度おもったことか。
ただ、保険金申請の手続きについては、いまのかのじょにとって重要ではなかった。ただし余事として、のちに弁護士がその手続きをすることとなる。だからこれでおく。
むろんのこと本人確定は、既述のとおりDNA鑑定のけっかしだいである。
ちなみに、赤木氏本人であることがのちに確認されたのだが。
ところでこんなばあい、しょせんは当面の確認でしかなく、それでおおむね衣服やくつ、時計などの持ち物でなされることがおおい。
保険金詐欺などの犯罪がらみも後をたたない昨今、枚挙にいとまがないこともその理由のひとつだ。
でもって今回のばあい、じつは、頭部の損傷がひどかったのである。とりもなおさず、車に轢かれたことによった。だから、スマフォは壊れてしまったのだった。
むろん、最終的にはDNA鑑定によるのだが。
なぜなら、医師の監察下にての病死や自然死とはことなる異状死であるいじょう、検証は、死亡届や生命保険金などの手続きにもかかせないからである。
いうまでもないことだが、それほどに強烈な衝撃だったのだ。おそれていた最悪の事態!
それをたおれこむ寸前、この制服警察官が間一髪でささえた。 かれは職務として、免許証記載の住所に同居者がおればそのひとに交通事故の事実をつたえ、つづけて本人確認をお願いせんと。そのための訪問であった。
そんな迷いの明けがたであった、警察官の訪問により事故死をしったのは。
直後、ああ…と口から奇異なこえを漏らしながら、気を失ってしまったのである。
ちなみに、スマフォがつながらなかったのは、事故時、ワイシャツのポケットに入れており、壊されていたからだった。
ともかくもと、夫のスマフォに時をおかずかけつづたのである。 しかしながら繋がることはなく、で心配がつのり不吉さが増大する妙となった。ではあったが、捜索願を出すべきか、それともまだ早いかで迷ってもいた。
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