まずはあることわざの意を、このあと用いるとしよう。
そう、キャリア六人組が常日頃から自信をもっていた目論見。ではあったが、残念なことに完ぺきではなかったという事実だ。
なにを隠そう、“アリの一穴”がじつは存在したから、なのである。
で、名探偵のホームズやポアロほどではなくとも鋭いひとならば、“一穴とはほころびを指し、いわく情報漏洩のことである”と想像できたであろう。
ただし一穴だが、実際には“極小”、でしかなかったのだが。
極小としたように、“流出”という事実は、たしかに一片にすぎなかったのである。
しかしながら、だからといってそれではすまされない、契約違反という違法性を否定できない事態、なんとも、そんなきびしい側面すらじつはあったのだ。
いやいや、これではわかりにくい。 で、そのあたりをまず、大まかに記すとしよう。