「岩見の、毎年恒例の誕生日パーティーがちかいことを、本人名義(じつは秘書まかせ)のツィッターで事前に知っていたキミは、爆発物を宅配で配達させる、まずその手はずとして、岩見の地元後援会事務所にボランティアといつわり入りこんだ」

心証をあらたにした矢野は、爆殺事件にかんし、明らかにしておきたいことを問うつもりなのだ。

「そのときは三十代にみえるブ男に変装し、あるときは美女に化けた、どちらも、そばで見てても変装だとわからない技術でもって。さらには、歩容認証から同一人物だとバレないように、たとえばブ男の西、ドローン盗難時の美人、そのほか何人かの人物になりきるために、歩く姿をそれぞれでつかいわけた。並たいていではできない変容だが、陸自の特殊部隊で、その技量も身につけていた。と、そういうことだよね?」

公判で、裁判官たちが知りたいはずの数々の事案、これらもそうだが、いまここで明確にしておかねばと。